4.事業拡大


決算や確定申告も終えて資金の蓄積もできたら次に検討しないといけないのは事業の拡大ですね!
事業の要諦は「ヒト・モノ・カネ」といいます。
モノというのはみなさんの製品でありサービスの事を指しますのでこの分野のプロであるみなさんの知見に頼るとしてここでは残る「ヒト」と「カネ」のお話しをしたいと思います。整理すると、



という事になります。
事業を拡大するにはやはりメンバーを整えないと始まりませんし、その投資をするための資金をどのように調達するかという事は非常に重要になります。スタッフを採用するといっても「誰でもよい」という事はなく、少ない人数でやっていくからにはやはり気が合うだけでなく少数精鋭といえるほど「デキる」人で固めたいというのがホンネではないでしょうか?

また、「カネ」のお話をすると、個人事業主である事を考えるとあまり借り入れを増やすのも、いざという時に困った事態になりかねないという点を考え、借り入れと助成金をバランスよく活用して資金調達をしたいというテーマがあると思います。

ここでは事業拡大に向けたこれら課題への対策について考えていきたいと思います。
(1)スタッフ採用

「ヒト」をそろえるというのは事業を行う上で最大の難関であり、事業を続けて行く限り必ずつきまとう課題であると思われます。これを言うと身も蓋もないのですが当初は取引先や知人の紹介で増員していくのが良いでしょう。あくまでも私の経験から言わせていただくのですが、今までの事業経験で約4000人近くの方を面接してきたのですが募集サイトや人材紹介会社などオープンに採用していくパターンでは「アタリ」「ハズレ」が読みにくいです。

もちろんオープンな採用が良くないと言っているのではなく、その人の正確なプロフィールやパーソナリティをたった30分から1時間程度の面接で知る事ができないという事を考えると、こういった採用方法は大手のブランドがある企業には適していると考えますが、スタートアップ期を抜けたばかりの個人事業主には適していないように思われます。

それよりは取引先や知人が
「仕事で関わった事がある」
「もともとウチにいたんだけど事情があって辞めちゃったけどもったいない」

と言うようなヒトを紹介してもらって面接をしてその中から採用するのがベストです。
このやり方の副次的な効果として『紹介者がいる』という経緯から採用されたヒトの身元を実質的に
保証されている点や、「その期待に応えなければ」とがんばってくれる可能性もある事を触れておきます。

ただ、こういった紹介がないけれど、なんとか人員を確保しなければいけないという場合もあります。
このケースでは採用時に一定の試用期間を設けたり、派遣を受け付けるのであれば紹介予定派遣などを活用する事をおススメします。試用期間はだいたい3-6ヶ月程度の期間を設定して契約社員として採用するのが良いでしょう。これによってその人柄やスキルが見定められます。

また、紹介予定派遣は派遣契約で派遣してもらうのですが、一定の期間で正規採用するかどうかを判断するというものです。
上記の試用期間設定と何が違うかとお考えの向きもあると思いますが基本的に派遣契約なのであまりにひどい場合は契約途中でも一定の期間をおくことで契約を解除する事ができます。
試用期間を設定して採用したスタッフの場合、契約社員とはいえ直接採用したスタッフの方であるのは変わらないため、試用期間中でもよっぽどの問題を起こさない限り、解雇すると労働問題に発展する場合もありますので注意が必要です。
労働基準監督署から調査を受けるようになると仕事がストップする可能性があり、個人事業主の方にとっては大きな痛手となりますのでご注意ください。
なのでどうしてもオープンに採用してでもスタッフを確保しなければいけない場合については、派遣か紹介予定派遣を活用する事をおススメします。
その上でその人材をじっくり品定め(というと何かきこえが悪いですが)し、ご自身との相性やその方の能力を見極めてから晴れて採用するのが望ましいのではないでしょうか?


(2)資金調達(上級編)

では、最後に資金調達のお話をさせていただきます。先述したように「借り入れ」と「助成金」は個人事業主の資金調達における「車の両輪」であるといえます。


あくまでも最後は銀行融資を受けなければならないのですが、個人事業主の場合はスタートアップの章でも述べたように直接金融機関に行っても相手にしてもらえません。(言い切ってはいけないのですがほぼ事実です)それよりは自治体斡旋の借入を活用する事をおススメします。

【東京都制度融資】
http://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.jp/chushou/kinyu/yuushi/support/
【豊島区融資あっせん】
http://www.toshima-biz.com/02_yuushi_chusho.html

筆者は東京都内に在住しているため上記は東京都と豊島区を挙げさせていただきましたが、都道府県と市区町村の役所で個々に斡旋はしています。

主に保証協会の保証を受けた手続きが必要ですが自治体が「利子補給」「保証料補助」をする制度をもっているので金利が低く抑えられている現状であれば実質的な金利は1%を切るような借り入れも可能ですので、これらを有効活用してはいかがでしょうか?

ちなみに「3%程度なら大した事ないじゃないか」という方もいらっしゃるのですが、借り入れ時に3%の金利で5年ローンを組むと返済までの総額で約8%程度の金利を結果的に支払う事になります。契約によってはその倍近くなるようなケースもありますので予めご注意いただきたいのと、何より金利を安く借り入れが実現できるようにするのがベストな選択であると思います。


以前も申し上げましたが融資を受けるのと違って返済する必要がない助成金・補助金は言葉通り「もらっておいて損がない」最も有効な資金調達法の1つです。これら助成金・補助金は政府や自治体にとって産業振興または雇用拡大のための施策であるという背景を理解しておけば申請する際に本旨から外れた内容にする事もないと思います。平成28年度であれば、

【小規模事業者持続化補助金】
http://h27.jizokukahojokin.info/
【トライアル雇用奨励金】
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/trial_koyou.html

などが個人事業主であれば活用しやすい助成金・補助金であると思います。
これ以外にも以前申し上げたようにお住まいの自治体のホームページから、

「トップページ」→「産業」→「助成金(または経営支援などなど)」

の順でアクセスすると現在利用可能な助成金・補助金が公開されています。
時期的には新年度が始まる前後の2-4月あたりに情報がアップされる事が多いのでそこを狙って申請するというのも1つの手です。

また、これら助成金は非常に倍率が高く、書式や事業の表現の仕方など役所に提出する書類独特のむずかしさがあります。例えば私が以前ある自治体に申請した新技術関係の助成金の審査ではその後アメリカで特許が成立した先進的なものであったにも関わらず審査員が「GPS」の意味が分かっていないために紛糾して「分かりにくい技術」扱いされ、質問も信じられないくらい幼稚な「地震で電話がつながらなかったらどうする?(→通話と通信の違いを分かっていない)」や「スマートフォン用に開発して新しい携帯が毎年でてくるけど大丈夫なのか?(今はそんな事ないと信じたいですが新機種とスマートフォンの規格の違いが分かっていない)」などをぶつけられ、丁寧にこたえたのですが明らかにIT関連の技術についての審査をするに不適格な審査員が勢ぞろいしていて、その後予想通り落選の連絡がきました。


なぜこんな事が起きるのか?

自治体では役人が技術やビジネス面の審査をする事ができないという自覚があるようでこれら助成金の審査をする際には「専門の」審査員を用意します。
自治体の広報誌やホームページの人材募集欄をみていると面白いのですが明らかにこれらの審査をやる審査員として「中小企業診断士」「製造業で10年以上従事」といったプロフィールの人間を薄給にて募集しています。分かりやすい人物像は大手でも中小でも製造業ではたらきながら中小企業診断士の資格を取得した50代以上の方が応募する確率が高いのです。もちろんIT明るいという事は期待できないでしょうし、現場で機械工学を極めるタイプは「中小企業診断士」には興味を持たないでしょうから「製造業の職場」では大成しないタイプだったのではないでしょうか?

こういった審査員でもわかってもらえてかつ役所の書式にミスなく記載して期限通りに提出するとなると難易度が上がってきます。こういう時にこれら専門の資格者に応援してもらうのは良い選択肢の1つだと思います。

【中央法務事務所】
http://www.oikawa-g.com/prof.html

上記の中央法務事務所は助成金獲得実績が豊富なスタッフが丁寧にヒアリングして
最適なドキュメントをおこしてくれるのに定評があります。
私も同事務所に業務をお願いしているため力量を理解した上でオススメできるところの1つです。



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